概要
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脳病変を含むガラス標本(以下、標本)を1万人が別々の場所で観察するとなれば、1万枚の標本と1万台の顕微鏡が必要であり、また、1枚の標本を1台の顕微鏡で観察するとなれば、1万人が一同に会し行列を作ることになる。本データベースは、ヒト中枢神経系の標本を高精度スキャンしたデジタルデータ(バーチャルスライド;VS)を、インターネット接続可能なサーバに搭載することにより、世界中のパソコンから、あたかも顕微鏡観察をしているような、ユビキタスに閲覧する仕組みを可能としたものである。
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VS技術と情報通信技術の両方の技術革新のメリットを最大限に生かし、神経疾患のデジタル標本アーカイブを作製したことによって、標本と人との時空間的な距離を格段に縮めることができた。
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都立病院を始めとする医療現場や研究所などにおける教育・研究の場において、病態理解や診断精度向上、共同研究のシーズ創出に資する情報を提供している。
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また、大学との契約による人材育成のための教育活動にも利用され、さらには、個人登録制によるオンライン神経病理学習の活用により、世界内外での神経病理診断や研究のレベルアップに活用されている。
