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シヌクレイノパチー

多系統萎縮症 multiple system atrophy

神経細胞の脱落に伴う髄鞘の破壊によって、下オリーブ核のリボン模様が見えなくなり、全体として白っぽくなっている。(KB染色)

下オリーブ核は高度なグリオーシスを呈している(ホルツァー染色)。

脳幹部では橋腹側部のふくらみがなくなり尖ったようになる。

割面でも橋腹側部の萎縮が明瞭である(左上下、右上)。

橋腹側部では横走線維が高度に脱落している。青く見えるのは保たれている橋縦束である(KB染色)。

小脳も著明に萎縮している。脳底部から観察したとき、小脳の後端は後頭葉の後端と同じ当りが正常であるので、だいぶ小さいことがわかる。

ただし、生後間もない小脳は小さく、成長とともにやがて大きく育ってゆく。顕微鏡で発達途上の小脳を観察すると、外顆粒細胞が分子層の表面にあり、やがて本来の顆粒細胞層へと移動してゆく。

小脳半球では白質の髄鞘が高度に脱落し、一方では遠心路のスタート部分である歯状核門の髄鞘はよく保たれている。(KB染色)

髄鞘が脱落している小脳半球にはグリオーシスが形成され、一方で、歯状核門は保たれるので、グリオーシスはない。(ホルツァー染色)

被殻が萎縮して黒褐色になっている所見は本症の肉眼所見の特徴であり、診断的価値が高い。

被殻、淡蒼球にグリオーシスが形成されている(ホルツァー染色)。

黒質にもグリオーシスが形成される(ホルツァー染色)。

淡い好酸性、嗜銀性のグリア細胞質内封入体(glial cytoplasmic inclusion; GCI)は本症の特異的な病変である(左図:ヘマトキシリン・エオジン染色、右図:ボディアン染色)。

GCIの構成蛋白であるリン酸化されたαシヌクレイン(synuclein)は、ユビキチン化されているので、両者の抗体を用いた免疫染色で明瞭に染めることができる(左上図;αシヌクレイン染色、右下図;ユビキチン染色)。

ガリアス染色ではGCIは黒色に明瞭に染まる。ヘマトキシリン・エオジン染色、ボディアン染色、免疫染色より細部が明瞭に染まるので、分布や量を調べるには適している。